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パンおよびバランスについて

初期設定では、すべてのオーディオトラックはシーケンスのマスターオーディオトラックに出力されます。トラックのチャンネル数がマスターのチャンネル数と異なる場合があるので(モノラル、ステレオ、5.1 サラウンドなど)、チャンネル数の異なる別のトラックに出力されたときの動作を制御する必要があります。

パンとは、あるチャンネルから別のチャンネルに音を移動することです。パンを使用すると、マルチチャンネルトラックのオーディオチャンネルの位置情報を設定することができます。例えば、ビデオフレームの右側を車が通りすぎるシーンの場合、車の音のチャンネルをパンして、マルチチャンネルオーディオフィールドの右側から聞こえるようにすることができます。

バランスを使用すると、マルチチャンネルオーディオトラックのチャンネルを別のマルチチャンネルトラックのチャンネルに配置することができます。バランスはパンとは異なり、空間情報が複数のチャンネルに既に埋め込まれています。バランスでは、相対的な比率のみが変更されます。

注意: 必要に応じて、バランスオーディオエフェクトをクリップに適用して、バランスを調節することができます。この方法は、トラックでのバランス調節では不十分な場合にのみ使用してください。

オーディオトラックのチャンネル数と出力トラック(一般的にマスタートラック)のチャンネル数との関係によって、パンおよびバランスオプションをオーディオトラックに適用できるかどうかが決まります。オーディオミキサーでは、トラックに対して表示されているレベルメーターの数がそのトラックのチャンネル数を示し、各トラックの下部のトラック出力設定ポップアップメニューに出力トラックが表示されます。トラックのオーディオに対して、出力トラックでパンまたはバランスを適用することができるかどうかは、以下の条件によって異なります。

  • モノラルトラックをステレオまたは 5.1 サラウンドのトラックに出力する場合は、パンを適用することができます。

  • ステレオトラックをステレオまたは 5.1 サラウンドのトラックに出力する場合は、バランスを適用することができます。

  • 出力トラックのチャンネル数がほかのオーディオトラックより少ない場合、出力トラックのチャンネル数に合わせてミックスダウンされます。

  • オーディオトラックと出力トラックが両方ともモノラルまたは 5.1 サラウンドの場合、パンおよびバランスを適用することはできません。どちらの場合も、トラックは 1:1 対応になります。

    初期設定の出力トラックはマスターオーディオトラックですが、シーケンスにはサブミックストラックを使用することができます。サブミックストラックは別のオーディオトラックの出力先としても、マスタートラック(または別のサブミックストラック)のオーディオソースとしても使用することができます。このため、サブミックストラックを出力先とするトラックでパンまたはバランスを適用できるかどうかは、サブミックストラックのチャンネル数によって決定されます。また、サブミックストラックでパンまたはバランスを適用できるかどうかは、サブミックストラックの出力トラックのチャンネル数によって決定されます。