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スクラッチディスクの指定によるシステムパフォーマンスの改善
プロジェクトを編集すると、キャプチャしたビデオおよびオーディオファイル、最適化したオーディオファイル、手動で作成したプレビューファイル、特定の形式に書き出すときに自動的に作成されるプレビューファイルなど、プロジェクトに必要な様々なファイルがディスクに保存されていきます。Adobe Premiere Pro では、最適化したオーディオファイルとプレビューファイルを使用してパフォーマンスを最適化しています。そのため、リアルタイム編集、32 bit 浮動小数点精度での効率的な処理と出力が実現されています。
すべてのスクラッチディスク環境設定は、各プロジェクトとともに保存されます。 プロジェクトごとに異なるスクラッチディスクの場所を選択できます。 スクラッチディスクの場所が異なる別のプロジェクトを編集した後に、以前のプロジェクトを再度開こうとすると、以前のプロジェクトで選択したスクラッチディスクの場所でそのプロジェクトに属しているファイルが検索されます。
プロジェクトのプレビューファイルや最適化したオーディオファイルを削除した場合、プロジェクトを再度開いたときにそれらが自動的に再作成されます。
初期設定では、スクラッチディスクファイルはプロジェクトと同じ場所に格納されます。スクラッチディスクに必要な容量は、シーケンスが長くなったり、複雑になったりするほど大きくなります。最高のパフォーマンスを得るために、メディアアセット専用のハードディスク(プロジェクトファイル、オペレーティングシステムファイルまたはアプリケーションファイルが保存されているディスク以外のディスク)を用意することをお勧めします。 これにより、ほかのファイルにアクセスすることなく、メディアファイルにすばやくアクセスして再生することができます。 システムに複数のディスクが搭載されている場合は、プロジェクト/プロジェクト設定/スクラッチディスクコマンドを選択して、Adobe Premiere Pro のメディアファイル用のディスクを指定できます。この指定は、新規プロジェクトの設定時に行うことをお勧めします。
パフォーマンスの観点から言えば、通常は各アセットタイプに別個のディスクを割り当てるのが最適ですが、同じディスク上のフォルダを指定することもできます。スクラッチディスクの場所は、次の種類のファイルごとに個別に指定できます。 - キャプチャしたビデオ
- ファイル/キャプチャを選択すると作成されるビデオファイルです。
- キャプチャしたオーディオ
- ファイル/キャプチャを選択したとき、またはオーディオミキサーを使用してナレーションを録音したときに作成されるオーディオファイルです。
- ビデオプレビュー
- シーケンス/ワークエリアをレンダリングを選択したり、ムービーファイルを書き出したり、デバイスに書き出したりすると作成されるファイルです。プレビューエリアにエフェクトが含まれている場合、プレビューファイルではそのエフェクトが最終出力の画質でレンダリングされます。
- オーディオプレビュー
- シーケンス/ワークエリアをレンダリングを選択したり、クリップ/オーディオオプション/レンダリングして置き換えを選択したり、ムービーファイルを書き出したり、DV デバイスに書き出したりすると作成されるファイルです。プレビューエリアにエフェクトが含まれている場合、プレビューファイルではそのエフェクトが最終出力の画質でレンダリングされます。
スクラッチディスクの指定スクラッチディスクは、環境設定ダイアログボックスのスクラッチディスクペインで設定します。スクラッチディスクの設定を変更する前に、パスの右側に表示される空きディスク容量を確認することができます。パスが長すぎて読めない場合は、ポインタをパス名の上に置くと、ツールヒントにフルパスが表示されます。
- プロジェクト/プロジェクト設定/スクラッチディスクを選択します。
- ダイアログボックスに表示されている各ファイルの種類ごとの場所を指定します。各ファイルの種類の名前(例えば、キャプチャしたビデオ)が付いたサブフォルダが作成され、関連するファイルがそこに保存されます。ポップアップメニューには、初期設定された 3 つの保存場所が表示されます。
- マイドキュメント(Windows)または書類(Macintosh)
- マイドキュメントフォルダ(Windows)または書類フォルダ(Macintosh)にスクラッチファイルを格納します。
- プロジェクトファイルと同じ
- プロジェクトファイルと同じフォルダにスクラッチファイルを格納します。
- カスタム
- 任意の場所を指定できます。「カスタム」を選択して「参照」をクリックし、利用可能なフォルダを選択します。
スクラッチディスクのパフォーマンスの最適化 最適なパフォーマンスを確保するには、以下のガイドラインに従ってください。 コンピュータで使用可能なハードディスクが 1 台だけの場合は、すべてのスクラッチディスクオプションを初期設定のまま使用することをお勧めします。
スクラッチディスクを 1 台または複数台の別々のハードディスク上に設定します。Adobe Premiere Pro では、各種類のスクラッチディスクを専用のディスク上に(例えば、キャプチャしたビデオに 1 台、キャプチャしたオーディオにもう 1 台というように)設定することができます。
Windows システムでは、NTFS ファイル形式にフォーマットされたパーティションのみをスクラッチディスクとして指定します。Macintosh システムでは、Mac OS Extended 用にフォーマットされたパーティションを使用します。 ビデオの格納に FAT32 パーティションを使用することはお勧めしません。 FAT32 パーティションは、大きなサイズのファイルをサポートしません。
Macintosh システムでは、ジャーナリングを無効にすることで最高のパフォーマンスを得ることができます。
フッテージのキャプチャとスクラッチファイルの格納には、最も高速なハードディスクを指定します。オーディオプレビューファイルとプロジェクトファイルには、速度の遅いディスクを指定してもかまいません。
コンピュータに接続されているディスクだけを指定します。ネットワーク上のハードディスクは一般に速度が遅いため、推奨できません。また、スクラッチディスクのファイルは常時アクセスされるため、リムーバブルメディアも使用しないように注意してください。スクラッチディスクのファイルはプロジェクトごとに保持され、プロジェクトを閉じても失われません。これらのファイルは、関連付けられているプロジェクトを開き直した際に再利用されます。スクラッチディスクのファイルをリムーバブルメディアに格納した場合、そのメディアがドライブから取り出されると、スクラッチディスクを使用できなくなります。
1 台のディスクをいくつかのパーティションに分割し、各パーティションをスクラッチディスクとして使用することができます。ただし、単一のドライブという仕組みがボトルネックになり、パフォーマンスは向上しません。最適なパフォーマンスを得るには、物理的に別のドライブにスクラッチディスク領域を設定します。
選択したコーデックがサポートしていれば、オーディオおよびビデオを別々のドライブにキャプチャできます(この動作は、Adobe Premiere Pro のネイティブ DV および HDV キャプチャではサポートされていません)。新しいファイルの保存先を設定するには、編集/環境設定/スクラッチディスク(Windows)または Premiere Pro/環境設定/スクラッチディスク(Macintosh)を選択します。初期設定を使用すると、Adobe Premiere Pro でキャプチャまたは作成されたすべてのファイルは、プロジェクトファイルと同じフォルダに保存されます。
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